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2016.03.05

退かぬ、媚びぬ、省みぬ・・・

金なし、コネなし、見通しなし

こんにちは。僕は北上にいる歯科医師です。略歴などは当院ホームページを御覧ください。コラムを通じて、分かりにくい歯科界や歯科医療について小説のつもりで書いていきたいと思います。

僕はドイツ・IMCミュンスターで修士課程(口腔インプラント)を修了しましたが、「すごいんです」と言いたいわけではありません。勉強にめちゃくちゃお金と時間を浪費した、その点において全く嘘・偽りのないことだけは最初に書いておきたいと思ったからです。
歯医者に行って、ほぼ全員が思うことは「高い治療費」だと思います。保険診療ならまだしも、自費診療になれば「高えよ!!」と言いたくなるのは当然です。でも、実際に自費診療のほうが「良い治療」だということは歯科医師ならほぼ全員が思っていることです。しかも、圧倒的に「違う」ので保険と自費を同じ土俵で比較することすらおこがましいくらいです。じゃあ、なぜ歯科医師が保険と自費の違いについてあまり説明しないのでしょう?帯広の有名な先生が「それは歯医者の不勉強と高額な治療費では患者が減るという歯医者側の都合」だと言っていました。僕は小心者ですから、人よりお金と時間をかけないと患者さんに自費診療は説明できません。だから、わざわざ借金までこさえて留学したわけです。

べんきょうしよぅ

大学の卒業を控えた年、あの大震災がありました。父の歯科医院も大きな損害を受けてしまい、のほほんと生きているわけにはいかなくなりました。皆さん御存知の通り歯科医師は過剰でして、普通にしていたのではご飯が食べられない時代なんです。のほほんと生きるわけにはいかない僕は考えた結果、人より勉強しないといかんという結論に至りました。旧帝大をでた人間ならまだしも、僕のような人間は他人より勉強しないと話にならない。それは色々な先輩や学校の先生からも言われました。「人より勉強する」ために「人よりお金と時間をかける」しかありませんでした。留学を決意しましたが、如何せん英語が全くしゃべれない。しかも、大学院に入学するためには英語力が点数として設定されていました。僕は英語勉強をいそいそと始めることにしました。

歯医者の学校

歯学部は6年間ですが、進級が厳しくどの学校でも1回2回留年する人がいるのは珍しいことではありません。当然、僕自信にも大きなプレッシャーがかかっていました。1回でも留年すれば、500万円という多額の授業料が余計にかかってしまいます。今考えても理不尽だと思うのは、医学部と歯学部はほぼ授業料が一緒だという点です。医者ほど稼げないのに授業料だけはいっちょ前に取るのは歯科医師が汲々としてしまう遠因でもあります。ちなみにですが、医師の約60%は国公立で養成されるのに対し、歯科医師の実に75%は私立大学が養成しています。歯科医師養成に対する公費負担は微々たるものです。