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2016.08.29

差し歯の種類、保険と自費治療の違いについて

虫歯や外傷により歯の大部分を失い、歯の根のみが残った状態のとき、被せ物を根に差し込む治療が「差し歯」です。専門用語では「クラウン」と呼ばれており、さまざまな種類があります。

どのような差し歯にするかは、歯の状態を確認した上で歯科医師が患者さんの希望を考慮し決定します。

差し歯の治療費は3000円~20万円程度で、保険適用・適用外、強度・材質などにより大きな差があります。この記事では、さまざまな差し歯の種類についてご紹介しましょう。

保険適用の差し歯の種類

【硬質レジンジャケット冠】 
差し歯全体が「硬質レジン」という歯科用のプラスチックでできています。

そのため、硬質レジンジャケット冠は金属アレルギーの心配がありません。また、1~5番の歯に保険を適用できるので比較的安価に治療でき、天然の歯に近い色なので見た目もそれなりに良く仕上がります。

デメリットは、全体がレジンでできており、すり減りやすく割れやすいため、かみ合わせが強い箇所には向いていないことです。また、時間が経過すると黄色く変色してしまいます。治療費用の目安は、3000円~5000円となります。

【硬質レジン前装冠】
差し歯の中心が金銀パラジウム合金などの金属で、外側にのみレジンを貼り付けた差し歯です。保険適用で安価、白い色なのでそれなりの審美性があり、噛み合わせの強い箇所でも使用できます。

ただし、経年後レジンが黄色くなり、金属部分が溶け出すことにより歯と歯茎の境目が黒くなることもあります。また、中心部が金属なので金属アレルギーの方にはおすすめできません。

ちなみに、保険適用内の前歯の差し歯は、ほとんどの場合、硬質レジン前装冠が使われています。適用は前から3番目の歯まで。治療費用の目安は5000円~8000円です。

【銀歯】
銀歯は6番目以降の奥歯の差し歯を作る場合に使用します。素材は、主に金銀パラジウム合金やニッケルクロム合金などが使われます。

保険適用なので安く、強い噛み合わせにも耐える素材です。銀色なので口の中で目立つことと、金属アレルギーの方は使用できないことがデメリットです。治療費用の目安は3000円~5000円です。

自費治療となる差し歯の種類

【ハイブリッドセラミック】
歯科治療用のレジン(プラスチック)にセラミック(陶器)の粒子を練り込んだ素材で、プラスチックと樹脂の中間的な性質を備えています。名称はセラミックなのですが、材質的にはレジンに近いものです。

保険のレジンよりも審美性に優れており、硬すぎないので歯を傷めにくいメリットもあります。また、自費の差し歯としては比較的費用が安価で、金属アレルギーの心配もありません。

ただし、レジンを含んでいるので長期間の使用で徐々に変色し、将来的に歯茎が下がり、歯と歯茎の境目が目立ってくることがあります。治療費用の目安は4万円~12万円です。

【オールセラミック】
レジンを一切使わず、全体をセラミック(陶器)で作った差し歯がオールセラミッククラウンです。一番の特徴はその審美性の高さ。自然な光を透過し、天然歯に近い透明感と色合いを再現できるので、前歯の治療に適しています。

長期間使用しても変色せず、金属アレルギーの心配がありません。また、表面が滑らかなので汚れや歯垢が付きにくいこともメリットです。

ただし、セラミック(陶器)なので割れやすい強い部分に使用できません。また、ある程度の厚みがないと使用に耐える強度が得られないので、他のクラウンよりも歯を多めに削らなければならないといった難点があります。治療費用の目安は8万円~15万円です。

【メタルボンド】
内部は金属で、表面がセラミックで作られた差し歯がメタルボンドクラウンです。金属なので強度があり、経年変色もなく、オールセラミック同様、汚れや歯垢が付きにくいなどの長所があります。

ただし、歯茎が下がると、歯と差し歯の境目が黒く見えてくることがあり、まれにですが金属アレルギーの原因となることがあります。治療費用の目安は8万円~15万円となります。

【ジルコニアクラウン】
内部は白く硬いジルコニアで作成し、外部は審美性の高いセラミック(陶器)を使用した差し歯です。

ジルコニアとは、セラミック(陶器)の一種で、スペースシャトルの外壁にも採用されるほどの強度を備えています。また、生体親和性が高く、しなやかでかみ合う歯を傷つけにくいこともメリットです。

さらに、セラミックなので溶け出すことがなく、歯と歯茎の境目が変色することがありません。経年変色せず、金属アレルギーのリスクもない優れた素材ですが、比較的高額であることが難点です。治療費用の目安は10万円~20万円となります。

【ゴールドクラウン(金歯)】
金合金を素材とした差し歯が金歯です。純金ではないのですが、保険の銀歯より良い金属を用いて強度を高めています。

強いかみ合わせに耐える丈夫な素材で、長年歯科医療の現場で使われてきた実績があるので安心感があります。

金色なので口の中で目立つことと、まれに金属アレルギーの原因となることがデメリットです。治療費用の目安は4万円~12万円となります。

保険と自費の寿命・審美性の違い

保険の差し歯を良い状態で使えるのは平均的に約7年。しかし、実際に保険適用のレジン(歯科用プラスチック)の変色は3~4年目から始まるといわれています。

自費の差し歯は保険の差し歯と比べると高価ではありますが、より人体に優しく丈夫で長持ちする素材を使用しています。

また、保険適用のレジンと自費のセラミック(陶器)では、審美性に大きな違いがあります。保険適用の差し歯に使われているレジンは、長時間使用した場合、セラミックに比べ変色しやすいデメリットがあります。

一方、自費の差し歯に使われているセラミックは陶材であるため、耐久性が高く天然の歯の透明感や色合いを再現することが可能です。