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2016.09.21

奥歯を抜けたまま放置するのは危険!全身に悪影響!?

奥歯(大臼歯)は、成人の場合上下左右に各2本ずつ、合計8本あります。サイズが大きく一見頑丈に見えるので長持ちしそうに思えます。

しかし奥歯(大臼歯)は、歯ブラシが届きにくく磨きにくいため虫歯や歯周病などになりやすく、厚労省の調査によると前歯よりも約15年以上も寿命が短いことがわかっています。

奥歯(大臼歯)は、食べ物をかみ砕くだけでなく、顔の輪郭形成や脳の発育を活性化させるなど、体全体の健康に影響を与えています。そのため、抜けてしまった場合の影響も大きいのです。

「奥歯は目立たないから」などと、抜歯後そのまま放置すると時間を経るとともにさまざまな悪影響が出てきます。この記事では、奥歯が抜けた後に治療をせずそのまま放置しておいた時の影響と、その治療法についてご紹介します。

抜けた奥歯を放置することで口腔内に起こるトラブル

【かみ合わせに影響がある】
奥歯はかみ合わせを行う際に、最も大きな力が働く場所です。

永久歯は上下顎に各14本ずつあり(親知らずを除く)、上あごと下あごの歯が正確にかみ合うことで「かむ」「飲み込む」「発音する」「口元を美しくみせる」といった働きを担っています。ところが、歯を失ってしまうと、両隣の歯が倒れ込み、向かい合う歯が伸びることで、かみ合わせが悪くなってくるのです。

奥歯が抜けてしまい、かみ合う歯がなくなると、今までかみ合っていた歯が伸びるように動きます。また、前後の歯が倒れるように動き、前歯が強くぶつかるようになり、出っ歯になることもあります。さらに、話すときに息が漏れてしまうので、ハ行、ラ行の発音が不明瞭になるといわれています。

【虫歯や歯周病になりやすくなる】
歯が動くことにより、すき間ができ食べ物が挟まりやすくなります。また、噛む回数が減ることで唾液が出なくなることが虫歯や歯周病の原因となります。

抜けた奥歯を放置することで全身に及ぼす悪影響

【胃腸に負担がかかる】
食事をしっかりかみ砕けなくなるので、胃腸に負担がかかるようになり体全体への影響が現れることもあります。奥歯を1本失うことにより約30~40%ものかむ力が失われともいわれています。

【顔の形が変わってくる】
奥歯がある方でばかりかむようになるため、かむ時に使う筋肉の太さが徐々に変化します。そのため、右半分、左半分の顔の張りに違いが出てくることもあり、その結果、老けて見えるようになります。また、残っている方の奥歯ばかりに負担がかかるため、それだけダメージを受けやすくなります。

【脳への刺激が少なくなる】
歯の根の周りには歯根膜という組織があり、歯と歯槽骨をつなぎ「かみ応え」を感じる役割に担っています。この歯根膜には、かむことで脳につながる受容体(センサー)が備わっているため、その情報がなくなることで、脳への刺激が少なくなり記憶力にも影響し、認知症になりやすくなるともいわれています。

【頭痛、肩こり、腰痛などの症状が出る】
かみ合わせのバランスが悪くなることで、顎関節症を発症する可能性があり、頭痛、肩こり、耳鳴りなどの不定愁訴を招くこともあります。

【瞬発力を失う】
体の体幹は奥歯で食いしばることによって固定されています。奥歯が抜けたことによりしっかりと食いしばれなくなると、運動や力仕事に必要な瞬発力を失う可能性があります。

どんな治療法があるか?

【インプラント】
奥歯を抜いた部分に金属製の人工歯根を埋め込み、人工歯を装着する治療です。

自分の歯とほぼ同じ力でかむことができ、かみ心地も天然の歯とほぼ同様です。審美性が高く、ブリッジのように健康な歯を削ることなく治療ができることもメリットです。また、顎の骨が痩せることがありません。

【ブリッジ】
前後の健康な歯を削り、削った歯を土台にして橋をかけるようにつなぎ合わせます。失った歯が1~2本程度の場合に行います。

見た目も自然で、噛む力は自分の歯の60%程度。支えになる歯に問題がなければ、自分の歯とほぼ同様のかみ心地を得られます。
しかしながら、かむ力を土台になった歯が受け止めるため過負荷がかかり、骨吸収が起き、寿命が短くなります。

【部分入れ歯】
プラスチックの歯茎がついた人工歯です。歯の本数に関係なくどんな場合でも対応でき、周囲の歯をほとんど削る必要がありません。

かむ力は自分の歯に比べ20~30%程度。かむ力が非常に低いため、ガムなど歯に付きやすい物は食べづらくなります。
また、残った歯に金属のバネをかけて固定するので、それが見えるとすぐに入れ歯とわかってしまいます。

耐用年数は約7~8年。歯を失った部分から「骨吸収」が始まり、顎の骨が徐々にやせていきます。骨がやせると入れ歯は合わなくなるので、その度に作り直す必要があります。
また、バネをかけた歯に過負荷がかかり、骨吸収が起き、歯の寿命を縮めます。