海外歯科大学院留学とは⑥

修士論文

IMC Münster Universityの柱の一つが修士論文の作成です。IMCでは、論文の提出を

  • ①Outline
  • ②Material and Method/Results
  • ③Discussion/First draft
  • ④Final

4段階に区分しており、それぞれでチェックを受けながら、順次進めていきます。各学生にチューター(指導教官)がつき、テーマの決定から最終稿へ至るまでチューターと二人三脚で作成していくのです。たとえ、1人で論文執筆ができたとしても、チューターと共同で作成しなければ修士論文としてAccept(受理)されません。執筆の過程で行われる論理の組み立てやチューターとの議論もMScプログラムの大切な教育であるという考え方からです。

私のチューターはドレスデン工科大学のDr. Bierbaumで、彼女との論文執筆に関るやり取りは、面談・スカイプ・メールを含めて膨大な数に登りました。

英語で論文を書く

修士論文の作成は、論文を書いたことも読んだこともない私にとり非常にハードルが高く、難渋いたしました。しかしながら、Dr. Bierbaumの丁寧で根気強く、ときには厳しい指導は、大変勉強になりました。英語文献を収集し、論文を作成することで、臨床に対する姿勢も変わったように思います。これまでは、成功した治療が論文ではどういう位置づけなのかを治療後に後付していました。しかし今では、Evidence-Based Medicine (科学的根拠に基づく治療)を実践するように心がけています。

また、日本語にも論文独特の言い回しがあるように、英語にも論文特有の表現がありますが、私にはまだ難しいようです。実際、私は何度も執筆を諦めかけました。その都度、励ましてくれたり、アドバイスをくれたりした同期の存在は非常に有難いものでした。この修士論文は、歯学教育を英語で受けてきた各国同期達にとっても苦しいものがあったようです。彼らですら最後の最後までパソコンに向かい細かい修正を行っていました。

プログラムの所定の教育期間を超えても論文がAcceptされず、帰国後も引き続き取り組んでいる学生もいます。ちなみに正確な数字は忘れましたが、IMC Münster Universityの修了率は約80%です。修了できていない学生のほとんどが修士論文の不受理です。

Master of Science in Implantology and Dental Surgery取得

私は、日本人として初めてIMC Münster Universityより歯学修士(インプラント)を授与されました。私にとってこの挑戦は初めての事だらけであり、学ぶことが多かっただけでなく、歯科医師人生の出発点となりました。英語での筆記試験と論文作成は、想像以上に過酷で何度も諦めかけました。

大学院への進学や留学と聞くと、大学人の専権事項で、大学人として生きてゆく必須条件くらいに思っていました。しかし、一歩海外に目を向けてみると、臨床医のための専門プログラムが数多く存在し、活況を呈しています。歯科医療のグローバル化の流れは、今後もさらに加速することでしょう。そういった点から、英語で歯科医療を学ぶことは大きな礎となるに違いありません。

ヨーロッパは、インプラントの研究、臨床の技術だけではなく、臨床教育も進んでいます。留学を通じて最先端の知識、技術を学び、またヨーロッパの文化に触れることができました。また何よりも、世界各国から集まった歯科医師たちを同期として学ぶことができたことは私の財産です。彼らとは今でも交流が続き、様々な情報を交換しています。

最後に私の無謀な挑戦を応援してくれた患者さま、スタッフ、そして家族に深く感謝しております。これからも、Master of Scienceに恥じない、患者さまのニーズに合わせたヨーロッパスタイルの歯科治療を提供してまいります。

IMC 提携施設

・Craniofacial Center Münster

・University of Duisburg-Essen Clinics Essen-Mitte

・University Hospital Leipzig

・University Hospital Dresden

・University Hospital Dusseldorf

・German Board of Oral Implantology (GBOI)

・Semmelweis University  ・University Hospital of Szeged

・IMC Turkey

・ Cairo University

・Mahidol University

・Hong Kong University Global Education Center

 ・McGann Postgraduate School of dentistry